水アカについて

店舗ガラスおよび乗り物等のガラスについての現状

店舗において「クリンリネス」の一環であるガラスの「クリーンネス」を促進していく上で、避けて通れないのがガラスに付いている水アカの問題があります。

ガラスが多用されている建物や乗り物は、利用者にとって「水アカ」が付いている事で、ガラスを通しての美観が損なわれたり、視界の妨げになったり、対外的に与えているイメージは決して良いものではありません。

また、乗り物の窓ガラスに付いている「水アカ」の状態がひどい場合には、乗り物酔いの原因にもなっております。
この「水アカ」が付く要因は、ガラスがおかれている環境やガラス自体の構造や性質により、付着する頻度は均一ではありません。
したがって、「水アカ」対策には、大変に苦慮されているのが現状です。

「水アカ」について・・・なぜ「水アカ」が付くのか

「水アカ」の付きやすい環境

【店舗周辺の環境】

塩害やイオウ分による可能性があります。
海が近くにあり、絶えず潮風が当たっている場所や活火山やイオウ分を多く含む温泉のある地域等では、特に「水アカ」の付着頻度が早いようです。
また、絶えずガラス面に酸性の気体や液体が付着するような環境では、同じような現象が発生しております。


【洗剤又は水が原因の場合】

店舗で使用している洗浄用の洗剤や水によって「水アカ」が付く可能性があります。
ケイ酸塩や硝酸塩を多く含んでいる洗剤を使用して洗浄した場合、後の水洗いが悪いく、その成分が残っているとそのケイ酸や硝酸の性質上、水や酸性物質と接触すると化学反応を起こし、加水分解を起こします。
この時にゲル化した乳白色のものが残り、これが「水アカ」の元になります。
また、全国各地の水質によっても、「水アカ」の付着頻度は大きく異なります。


【化学薬品を使用していた場合】

「水アカ」除去の為に、過去に化学薬品を使用した事により、ガラス表面が溶解して「水アカ」の付く要因が多くなる事があります。
市販されているフッ化水素(HF)またはフッ酸(フッ素酸化物)の46~50%水溶液を使用してガラス表面を処理する方法が行われておりますが、ガラスの表面を溶かすことになり「水アカ」の付く好条件ともなります。
フッ化水素は、元来、ガラスにつけるメモリや模様付けに利用されるものです。


【ガラス自体の構造による場合】

ガラスは用途別に様々な種類が生産されており、それぞれに特有な性質を備えております。
それは、ガラスの主原料である、ケイ砂(silica sand)の中に含まれる種々の成分が、産出国により均一ではない為です。

ガラスについての参考資料

【ガラスの構造と性質】

ガラスの起源は、約5000年前のエジプト文明とメソポタミア文明のなかにあるといわれております。 また、前17世紀頃のバビロニアの粘土板には、ソーダ石灰ガラスや鉛ガラスの処方が記録されております。

ガラスを構成している物質は、二酸化ケイ素(SiO2,silica)を代表とした酸性酸化物と、装飾性のアルカリである塩基性酸化物、アルミナ(AI2O3)や酸化チタン(TiO2)などの中性酸化物を主成分として、構成されております。

現在、工業的に生産されている「ガラス(板ガラス)」のほとんどがケイ酸塩ガラスであり、通常65~75%のケイ酸が含有されており、他に、ナトリウム(Na) 、鉄(Fe) 、アルミニウム(AI) 、カリウム(K)など、多種類の酸性物質と、その他に副原料として亜ヒ酸(AS2O3)等の清澄剤やカーボン(C)等の還元剤から構成されております。

ガラスの性質は、元来化学組成により決定され、その組成の組み合わせはほぼ無限にあります。 これは、ガラスがほとんどの元素をその構造中に取り込む性質がある為です。 したがって数千のガラスが生成可能ですが、一般的には次の石英ガラス(シリカガラス)ソーダ石灰ガラスホウケイ酸ガラス鉛ガラスなどに分類され、これらは商業ガラスと総称されています。

工業的に加工処理されたガラスは、容器ガラス板ガラス繊維ガラス特殊ガラスの4つの部門に分かれております。 また、ガラスの特異性として、微視的なレベルでガラスを観察すると明らかになります。 大半の固体では、原子、分子、あるいはイオンが規則正しく配列していますが、ガラスではその配列がかなりひずんでおります。ごく小さな範囲では規則正しく見えますが、さらに範囲を拡大して観察すると、その規則性はずれ、ランダムなものとなります。 この為、微視的なレベルではガラスは固体というよりもむしろ液体に似ております。

世界の商業ガラスの生産量

世界のガラス生産量(中国、ロシアを除く)(万t,1994年度)
世界のガラス生産額(億ドル,1994年度)

  世界 EU 米国 日本
容器ガラス 5,311 1,679 - 268
板ガラス 2,688 617 389 148
繊維ガラス 200 37 - 39
特殊ガラス 1,270 106 - 88
合計 9,469 2,439 1905 543
  世界 米国 日本
容器ガラス 383(44%) 50 33.9(33%)
板ガラス 252(29%) - 51.5(25%)
繊維ガラス 104(12%) - 20.9(13%)
特殊ガラス 131(15%) - 29.5(29%)
合計 870 220 135.5

【参考著書】
『ガラス工学ハンドブック』/東京工大 山根正之・東大 安井 至 ほか編
『岩波 理化学辞典 第5版』発行/岩波書店
『化学大百科』発行/朝倉書店
『科学物質毒性ハンドブック』臨床編Ⅱ発行/丸善株式会社
『洗剤・洗浄百科事典』発行/朝倉書店
『湖沼・河川の環境保全と総合浄化システム』発行/シーエムシー
『石鹸・洗剤100の知識』発行/東京書籍(株)

「水アカ」の除去対策と結果状況

「水アカ」除去の現状とその結果・・・「水アカ」はとれるのか

「水アカ」を除去する方法として、今日まで大まかに分けて下記の4つの方法で作業が行われています。
結果状況も下記の通りです。

  除去方法 作業内容 結果
1 削る 従来から一般に行われている方法で、電動式のサンダーバフやポリッシャーバフで、物理的にガラス表面を強引に削り落とします。
  • コストは安価で済みます。
  • バフによる細かな傷が付き、擦りムラが発生します。
  • ガラス面が「スリガラス」状態になります。
  • 光の屈折を招き、視界性が悪くなります。
2 研磨 水や洗剤と一緒に、コンパウンドや研磨剤をスポンジやポリッシャーに付けて研磨します。
  • 研磨剤による細かな傷が付き、擦りムラが発生します。
  • ガラス面が「スリガラス」状態になります。
  • 光の屈折を招き、視界性が悪くなります。
3 薬品処理 強酸性劇薬(フッ化水素や二酸化ケイ素など)を刷毛でガラス表面に塗布し、しばらくしてから水で洗い流します。
  • 強酸性劇薬のため、防毒マスクや分厚いゴム手袋などの防護が必要です。
  • ガラスを溶かし、焼くためにガラス表面がボコボコの状態になります。
  • 水質汚染や環境汚染に繋がります。
4 「バイオガラスクリーナー」
処理
「天然植物酸」から生まれた「バイオガラスクリーナー」を刷毛または、スポンジでガラス表面に塗布し、スクレイパーまたは電動サンダーで「水アカ」を除去します。
  • コストは安価で済みます。
  • 「ガラス」表面を傷つけません。
  • 「天然植物酸」生まれのため、人と環境に優しい商品です。

「水アカ」除去方法の選択

「バイオガラスクリーナー」による水アカの除去を推奨します。
「バイオガラスクリーナー」は、天然植物酸から生まれた「グリーンケミカル」商品で、人と環境に優しい、無公害の除去剤です。
但し、以前に削る・研磨・薬品の処理をされている場合は、ガラスの表面についている傷や薬品による損傷は残ります。また、ガラス表面が※1加水分解を起こして「スリガラス」状態になってい物も、完全には復元できません。

※1加水分解:水と何らかの物質が反応して化学反応を起こし、ガラスの表面が溶解し損傷を受けること。

販売及び施工実績

これまでの販売実績は「水アカ」除去を目的に開発されたBTCS「バイオガラスクリーナー」をメイン商品に、ガラス表面の保護のためのコーティング剤や車のフロントガラスの「水アカ」「油膜」除去剤、また、これらを使って施工を行う専用の機械器具等の製造販売を行っており、全国の自動メーカー及び、ディラー等への販売を行っております。

これまでの施工実績は全国のバス、電車、船舶の窓ガラスやビル、建物・コンビニエンスストアーのガラス・壁面・犬走り、温泉浴場、水族館のガラスや鏡の「水アカ」除去の依頼を受けて、弊社、もしくは弊社代理店及び施工店が「水アカ」除去のBTCS・R&C施工作業を行っております。